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エキゾチックペット研究会発足に向けて

(財)東京動物園協会 田邊 興記

 この度のエキゾチックペット研究会の発足の準備に奔走された諸先生方、並びに、本会に深いご関心を持たれてご参加された諸先生方へ、ここに敬意を表し、発会を心からお喜び申し上げます。

 

 獣医学の進歩とともに、多くの動物の疾患の原因・予防法・治療法などが解明されて参りましたが、ウサギやモルモットなどのわずかの種を除き、エキゾチックペットの多くはペット化された歴史が極めて浅く、ペットとして本当に適切な動物種か否かという疑問点も多いのが現状です。

 

 野生動物では、その保全、増殖が叫ばれて久しいにも関わらず、世界的規模で生息数が減少の一途をたどっている現況で、それらをペット化するのには多くの問題があります。最近、飼育技術などが向上し、両性爬虫類から哺乳類まで数多くの動物種が飼育化で繁殖可能となりつつあり、CITES(ワシントン条約)違反や、野生種の捕獲を回避するために、飼育化繁殖した個体をペットとして販売(主には輸入販売)する傾向に拍車がかかっております。御存知のように、イヌやネコにもその品種に流行があるように、エキゾチックペットにおいても同様の現象が見られます。珍しさ、可愛らしさ、馴到しやすさなどを強調し、飼育管理が容易で病気にも罹患しにくいなどをうたい文句に、意図的に宣伝されることも多いようです。一方、餌を含む飼育管理法を全く理解せずに販売しているペット業者も存在します。また、エキゾチックペットのほとんどは、検疫対象外とされ、フリーパスの状態で輸入されているのは大変危険な状況で、輸入先などの確認は必須条件です。

 

 また、ペットの購入後、短期間内に飼育に飽きたり、煩わしさを感じて放棄したり、あるいは、攻撃されて飼主が負傷したりする例も多く見られます。さらに、幼稚園や学校で教育の一環として飼育される動物の管理の杜撰な例も多く見られます。一方、動物をよく理解し、質の高い医療を希望する飼主が増えてはいるものの、私どもへの問い合わせで、診療が受けられない、あるいは、良くわからないので動物園に聞いてみるようにとのことなど、様々な苦情やら質問が連日多数寄せられます。これらのことからは、飼育管理法、当該種の社会性や行動、疾病罹患時の臨床獣医師の有無など、事前の確認無しに衝動買いに走る飼主側にも反省を促したい点があります。

 

 現実に、ペットとして飼育されているエキゾチックアニマルの診療に直面する先生方には、その動物の特性を理解することは必須の条件ではありますが、イヌやネコで培われた技術と経験、加えて、最近出版される機会の増えたエキゾチックペットの病気に関する成書や文献をご参考になれば、かなり高度の診療を実施できるものと思われます。加えて、ほとんど基礎知識を持たない飼主への教育も怠りませんよう。

 

 終わりに、貴研究会の発展を祈念いたしますとともに、ヒトと共生してゆくべき動物たちの福祉と権利のために、努力を惜しまれませんことを願ってやみません。

 



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